こんにちは。 @tnzk ことフィフス・フロアの濱口です。

この記事は、 drill リリースを記念したブログ記事の3本目です。ここまでは drill というプロジェクトの全体像について文章にしてきました。

マンガストーリー構成力のトレーニングアプリ“drill”のリリースに寄せて
実はここ1年ほど取り組んでいた、マンガ教育の分野で新たなアプリについて語ります。「drill」という、おもしろいマンガを書くのに必要なストーリー構成力を鍛えるためのトレーニングアプリです。
ストーリー構成力のトレーニングアプリ“drill”ってどんなアプリ?
ストーリー構成力のトレーニングアプリ“drill”の機能と、そのベースになっている思想を、簡単に紹介します。

今回は、 drill の価値の中核であるレッスン(教材)の内容に、少し触れてみたいと思います。

異色のレッスン「作品世界にコミュニティを作ろう」

最初の記事で少し触れたとおり、 drillのレッスンは、監修を担当したマンガ教室「いるかM.B.A.」の授業で使用されていた、通称「ドリル」と呼ばれる記入式の教材がベースになっています。授業での必要に応じて随時作成しているらしく、現在は150種ほどストックがあるといいます。

これらを原案とし、 drill の「ストーリー構成を鍛える」というコンセプトに合うものを抜粋し、さらにアプリという形式で学びやすいように再構成したものが、 drill の「レッスン」として収録しています。

再構成の過程で、いくつかの原案を「企画編」「キャラクター編」「プロット編」と分類していく作業があったのですが、その中で「これはどこに含まれるべきなんだろう?」と悩むことになった原案があります。

「作品世界のコミュニティを作ろう」という原案です。

「読者」と「作者」の視点をスイッチすることの大切さ

この原案のテーマは、かなり大雑把にいうと、「現代の日本のマンガは、個人個人の努力・成長以上に、"コミュニティ"の動きを重要視している。コミュニティをうまくデザインする技術を身につけよう」というものです。

私のこの説明を見て、「それって当たり前じゃない?」と思った人の方が多いのではないでしょうか。

私としても不思議に思うのですが、原案の文章を読んで「新鮮な気づきだな」と感じたにも関わらず、このことを同僚や創作仲間に伝えたくて口頭や文章で言葉にしようとしても、なかなかそのニュアンスが伝わるイメージが持てませんでした。

それはおそらく、「コミュニティをめぐる物語への興味」が、それくらい強く現代を生きる私たちに染みついているからではないかと思います。多くの読者に刺さるストーリーというのは、ある意味「言われてみれば当たり前と思ってしまう」ようなことなのかもしれません。

主にアプリとビジネスサイドを担当した濱口は、マンガの作り方については素人です。その前提の上ではありますが、思ったことを述べます。

「当然のこととして刷り込まれているけど、多くの読者に本当に刺さるストーリーを書くなら、一歩引いた目線で見て気づかなければいけないこと」(難しい言葉で言えば、メタに認知すべきこと)というのが、この分野にはたくさんあるのだと感じます。あらゆる書き手は、同時に読み手でもありますが、熟達するにつれて「読者としての視点」と「作者としての視点」を自在に切り替えることができるようになるのかもしれません。

もしそうだとすれば、こうしたことを、レッスンに取り組む中で自然と気づかせてくれるのが、 drill のレッスンを優れた点だと感じます。

drill では、ここからさらに現代マンガにおけるコミュニティの重要性を掘り下げて検討し、無理なく練習する方法が指南されますが、それはアプリをお使いになってのお楽しみということで(笑)、この記事ではこの辺りで締めておこうと思います。

drill のリリースと対談企画のご案内

drill には、私としてはとても興味がある「コミュニティをめぐる物語」の理論(の入り口)だけでなく、「コンセプトの磨き方」「属性の足し算で終わらないキャラの立たせ方」など、たくさんの学びが詰まっています。

drill のリリースは明日24日です!時間は未定ですが、公式サイトからメールアドレスを登録すると、リリースと同時にお知らせされます。Twitterよりも速報となりますので笑、ぜひご登録ください。

drill - マンガのストーリー構成に必要な基礎体力を磨く。
ネタ出しの考え方から、ストーリーの構成方法まで、1問5分ほどのドリル形式でマンガの基礎力を鍛える!プロ漫画家教育の現役講師、完全監修の学習アプリ。

また、同じく明日24日、こちらは21:00から、いるかM.B.A代表の田中裕久氏を相手に、弊社濱口とCOOで「創作のお手伝いさん」を名乗るウォンバットやしろがインタビューする対談企画を YouTube Live にて実施します。この記事で語った「コミュニティ」の理論をめぐるあれこれにもがっつり切り込んでいくつもりです!

当日はコミティアの開催日でもあるため、配信時間は遅め(午後9時)です。閉会後、またはアフター終了後などにぜひご観覧ください。このトピックに興味がありそうな集まりであれば、長いアフターの興のひとつとしてあれこれ言いながらみんなで眺めるのもおもしろいかもしれません(笑)。